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松戸市立博物館で資料展 縄文土器が作られた年代を調べる方法を紹介

土器の形や文様が似ているほど近い時期に作られたと判断する「型式学的方法」の展示

土器の形や文様が似ているほど近い時期に作られたと判断する「型式学的方法」の展示

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 松戸市立博物館(松戸市千駄堀)の企画展示室で、館蔵資料展「どきどきクロノロジー」が4月29日、始まった。

プレイルームでは小学生向けのワークショップを行う

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 同展覧会は、遺跡から見つかった物がいつ頃の物で、どのような順番で変化したのかを調べる「クロノロジー」の基本的な方法や理論を、貝の花遺跡(松戸市小金原)を中心とした同市の10カ所の遺跡から出土した縄文土器166点を題材に紹介する。クロノロジーをテーマにした展示は、同館としては初めて。

 今回の展示は3章で構成され、下の方の地層で見つかった土器ほど古い土器と判断する「層位学的方法」、土器の形や文様が似ているほど近い時期に作られたと判断する「型式学的方法」、5730年で半分に減る「炭素14」の量から土器が作られた年代を推定する「放射性炭素年代測定」という、クロノロジーの基本となる方法を各章で1つずつ紹介する。

 下の方にある層ほど古いことを実感してもらうために、「みんなで作る虹色貝塚」という展示を用意。アクリルケースの中に、色を付けた貝殻を来場者に少しずつ捨ててもらうことで貝塚を作る。捨ててもらう貝殻を3日ごとに別の色に替えることで、異なる色の貝層が3日ごとに積み上がり、やがて虹色の貝塚ができる。その日の貝塚の様子を同館のツイッターアカウントで報告する。

 学芸員の西村広経さんによる講演会「土器の古さの測り方」を5月20日13時~15時に同館講堂で行う。定員は67人。申し込みは同館ウェブサイトと往復はがきで受け付ける。5月8日締め切り。学芸員が展示の解説をする「ギャラリートーク」を5月14日、27日の午前・午後と20日の午前に行う。企画展示室で当日受け付ける。

 小学生向けのワークショップとして、埋められた土器を発掘してどの土器が一番古いのかを当てる「ゲームでまなぶ土器の古さ」を5月5日と6月10日に、土器の文様が少しずつ変わっていく様子を体験する「縄文文様お絵かき伝言ゲーム」を5月3日、13日、6月11日に同館プレイルームでそれぞれ午前・午後に行う。会場で当日受け付ける。

 西村さんは「クロノロジーは地味で難解な研究だが、できる限り分かりやすい展示になるよう工夫した。学芸員が直接解説する機会も多く用意したので、利用してもらえたら」とアピールする。

 開館時間は9時30分~17時。入場無料。月曜、5月26日休館。6月11日まで。

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