流山の飲食店「醸し食堂 しずく」(流山市駒木)で3月10日、「金継ぎ体験ワークショップ」が開かれた。
金(きん)継ぎとは、割れたり欠けたりした器を漆で修復する、安土桃山時代から続く伝統技法。講座は1月27日と3月10日の2日間にわたり行われた。1日目には、参加者が家庭から持参した割れた皿やグラスなどを、漆と小麦粉などを混ぜた物で継ぎ合わせる作業を行い、2日目となったこの日は継ぎ目に色漆を塗ったり、金粉や銀粉をまいて装飾したりする作業を行った。修復された器は、各家庭で漆が固まるまで約1週間置くと、食器として再び使えるようになるという。
講師を務めた松江藩御抱え塗師・蒔絵師12代目の小島ゆりさんは「修復した跡が目立たないようにする修復方法が主流の中、割れたところをあえて目立たせ、修復跡を模様として楽しむ金継ぎは世界でも珍しい技法」と話す。
参加者の一人は「子どもが幼稚園で頂いた器を使っている間に割ってしまい、直したいと思ってもどこに頼んだらいいか分からなくて何年も放置していた。今回この講座の話を聞いて、これだと思いすぐに受講を決めた」と話す。
同イベントの主催者は、流山市でリユースおもちゃ作りや、リユースを楽しめるイベントの企画などを行う「リ・ユース ラボ」主宰の加藤優子さん。小島さんとは「醸し食堂 しずく」での縁で同ワークショップが実現した。加藤さんは「今回予定が合わずに参加できなかった方も何人かいるので、また同様のワークショップを開きたい」と意欲を見せる。