「フジタとイタクラ エコール・ド・パリの画家、藤田嗣治(つぐはる)と板倉鼎(かなえ)・須美子」が現在、聖徳大学川並弘昭記念図書館(松戸市岩瀬)で開催されている。
藤田嗣治は東京美術学校を卒業後、1913年に渡仏。独自の技法による乳白色の下地に描いた女性や猫の作品が西洋画壇で脚光を浴び、エコール・ド・パリを代表する画家として大きな成功を収めた。
松戸で育ち東京美術学校では藤田の15年後輩に当たる板倉鼎は、妻の須美子と1926年から1929年までパリに留学。1929年4月、藤田を中心としたパリの日本人画家たちによる「仏蘭西(フランス)日本美術家協会」第1回展に板倉夫妻も参加し、須美子の出品作を藤田が会場で絶賛した、という松戸に住む家族に宛てた鼎の書簡が残されている。
松戸市教育委員会の田中典子さんは「板倉夫妻と藤田嗣治がパリで生み出した優れた芸術と彼らのつながりを伝えるため、聖徳大学・聖徳大学短期大学部と松戸市教育委員会が共同企画し、聖徳大学が所蔵する藤田嗣治の作品と、松戸市教育委員会などが所蔵する板倉夫妻の作品を一緒に展示することとなった。エコール・ド・パリを生きた3人の画家の情感あふれる作品を楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時~17時。日曜・祭日および3月8日・9日休館。入場無料。問い合わせは松戸市教育委員会社会教育課(TEL 047-366-7463)まで。