松戸市が現在、電動自動車「グリーンスローモビリティー」のデモ走行を行っている。
市内で千葉大学予防医学センターとヤマハ発動機が行う、グリーンスローモビリティーを活用した高齢者の移動と健康に関連する実証調査を周知するためのもの。9月末まで、平日の10時と14時に市役所と松戸駅の間でデモ走行を行っており、無料で誰でも乗車できる。事前に市福祉長寿部地域包括ケア推進課に連絡すれば、上記以外の時間帯に同じコースで試乗も可能。雨天中止。
同調査に使用するグリーンスローモビリティーは、ゴルフ場で使用される7人乗りカートに保安部品を装着し、速度を時速20キロ未満に制限することで、公道を走行できるようにナンバーを取得したもの。住宅地内の狭い道路などを走るのに向く。1回の充電で30キロ程度走行できる。
2019年に松戸市が国土交通省のグリーンスローモビリティーの活用に向けた実証調査支援事業の対象地域に選定され、市と千葉大学予防医学センター、住民組織の河原塚ことぶき会が共同で、10月から11月にかけて地域住民を中心にグリーンスローモビリティーを運行。その結果、利用者の行動範囲が広がるとともに、人と人がつながり地域のコミュニケーションが活性化されるという効果が認められた。
今回の調査は、他地域でも地域の互助の活動でグリーンスローモビリティーによる小さな移動が可能となり、前回同様の効果が得られるか検証し、今後の政策展開に生かす目的。現在、市内の町会・自治会に案内し、調査に協力する地域を募集している。利用者と運転者を地域で確保し、平日に午前1便、午後1便以上運行することなどが条件。9月下旬までに実施地域を決定し、10月初旬から11月下旬まで運行を予定している。
市福祉長寿部の中沢豊さんは「高齢者の社会参加の機会と場をつくることが介護予防の第一歩。グリーンスローモビリティーは交通手段というよりも、小さな移動を地域の方々が互助で行うことにより、地域課題の解決につながる手段と考えている。産学官・地域が連携して、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス=いろいろな形式の移動サービスをひとつの交通手段として統合させたもの)などへ発展も期待している」と話す。