松戸市の農園「恩田いちご園」(松戸市新松戸南3)が1月18日、今シーズンの販売を開始した。
代表の恩田泰裕さんは27歳。同地で野菜農家を営んでいた父親がおよそ20年前に始めたイチゴの生産を、小学生の頃から手伝っていたという。2016(平成28)年から2017(平成29)年にかけておよそ1年半、アメリカで農業研修プログラムに参加。帰国直後に父親が急逝し、泰裕さんが突然跡を継ぐことになったため、イチゴの栽培について市内の他の農家に師事してゼロから学びながら、父親が育てたイチゴの味を再現してきたという。
新松戸南と旭町、約1500平方メートルの畑でイチゴを生産。畑で完全に熟してから収穫、販売するので、甘みやジューシーさを最高の状態で味わうことができるため「完熟松戸の苺」と名付け、販売している。例年1月上旬に販売を開始するが、今年は寒さの影響で実の色づきが遅く、1~2週間遅れてのスタート。恩田さんは「今年が特に寒いとは思っていなかったが、イチゴの生育を見て寒さに気付いた」と笑みを見せる。
同農園で生産しているイチゴは女峰がメイン。甘さと酸味のバランスがよく、柔らかな果肉が特徴の品種。300グラム入りの「通常パック」「ばら詰めパック」(各700円)と、大粒で400グラム入りの「デラックスパック」(1,500円)を販売。「直売所は午前中には売り切れてしまうので、ぜひ予約を」と恩田さん。
「父親は直売所以外での販売をほとんどしていなかった。お客さんの顔を見て売りたい、という父のこだわりがあったと思う」と話す一方、恩田さんは電話やメール、公式LINE(ライン)アカウントで直送の注文を受け付けるほか、公式ウェブサイトとインスタグラム、フェイスブックでの広報活動も積極的に取り組む。
恩田さんは「味には自信を持っているので、今までのお客さんだけでなく一人でも多くの方に食べていただきたい」とアピールする。「この畑から最大限の価値を引き出すが当面の目標。一般のお客さんだけでなく、飲食店や洋菓子店などとの取引も今後増やしていけたら」とも。
直売所の営業時間は9時~15時。販売期間は5月の大型連休ごろまで。