松戸市立博物館(松戸市千駄堀)で9月2日まで、「松戸ゆかりの美術展-その潜在力-」が開催されている。
「美術の潜在力」テーマに構成を2つに分け、松戸市が刻んできた芸術の歴史を展観する。松戸市教育委員会は松戸ゆかりの美術の調査を行い、さまざまな芸術資源を掘り起こし優れた作品を収集してきた。展示は同事業の一環。
「Ⅰ相模台の記憶 松戸にあった千葉大学工学部のデザインと美術」では、相模台(岩瀬)にあった千葉大学工学部の教授陣や卒業生の作品を展示する。相模台は、明治期に中山競馬場(千葉県船橋市)の起源となる松戸競馬場が設置され、大正期から戦前まで陸軍工兵学校があった場所。戦後、東京工業専門学校(旧東京高等工芸学校)が移転し、1949(昭和24)年の新制大学発足で、千葉大学工芸学部(後に工学部に改組)となった。
今回は、教育委員会のコレクションから東京高等工芸学校時代を中心に紹介。教授を勤めた森谷延雄さんをはじめ、同校が輩出したグラフィックデザイナー大橋正さん、インテリアデザイナー剣持勇さんらの作品を展示し、現在の千葉大工学部へとつながるデザイン教育の歩みをたどる。
「II利根川に魅せられて-松戸の写真家、及川修次の仕事-」では、松戸市大橋在住の写真家・及川修次さんの作品を紹介。及川さんは、1970年代から利根川の源流から河口に至る風景と人々の暮らしをライフワークとして撮り続けてきた。1981(昭和56)年にニコンサロン(東京都新宿区)で開催された個展「利根川山河」に出品された作品を中心に展示する。
開催時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、一般=300円、高大生=150円。問い合わせは、松戸市教育委員会・社会教育課・美術館準備室(TEL 047-366-7055)まで。