江戸幕府最後の将軍徳川慶喜が飲んだとされるコーヒーを再現した「徳川将軍珈琲」を味わう催しが4月29日、戸定が丘公園の茶室「松雲亭」で開催された。主催はNPO法人「松戸市民劇団」。
徳川将軍珈琲を焙煎する徳川慶喜家4代目当主慶朝(よしとも)さん
参加者は、えんび服の執事に給仕され、貴族の生活を感じさせる雰囲気の中でコーヒーを味わった。茶菓子のピーナツサブレ本舗富井(松戸市常盤平)のフィナンシェ(焼き菓子)「戸定三楽」が付き500円で提供。コーヒーの苦手な人には抹茶と和菓子も選べるようにした。
慶喜は1867年、将軍就任のお披露目などのために欧米4カ国の公使を大坂城に招いた際、フランス料理のフルコースでもてなし、食後にコーヒーを振る舞ったとされる。松戸市民劇団の石上さんによると、日本で初めて政府の公式行事で飲まれたコーヒーだという。
将軍珈琲は、石上さんと親交のある慶喜のひ孫に当たる写真家・徳川慶朝さんが2002年、茨城県のコーヒー会社と協力して再現。当時の記録などを参考に、インドネシア産のアラビカ種の豆を炭火で焙煎(ばいせん)した。コクがあってまろやかな味が特徴という。