
戸定歴史館(松戸市松戸)で通常展「暦と調度―春から夏の戸定邸」が3月20日から開かれている。
江戸幕府第15代将軍徳川慶喜の異母弟、徳川昭武が隠居後の後半生を過ごした邸宅、戸定邸(国指定重要文化財)に隣接する戸定歴史館。1991(平成3)に開館し、昭武とその子孫に関する資料を収集、保存、調査研究、公開している。
同展は、戸定歴史館が所蔵する歴史資料の中から、1月~6月の年中行事に関わる品と、徳川家の家紋である葵(あおい)紋が付いた調度品、合わせて約80点を展示する。
年中行事に関わる品としては、慶喜が昭武に宛てて書いた年賀状、昭武が作陶した節分用の器「鬼おかめ」、水戸徳川家から伝わった品で、戸定邸でひな飾りの時に使われていた「源氏物語図屏風(びょうぶ)」、昭武が撮影した写真「桜花にひょうたん」などを展示する。
調度品は、前期には衣装入れ、化粧道具など身の回りの品を、後期では食器・文房具を展示する予定。後期では慶喜や昭武の娘たちの嫁ぎ先でもあった津山松平家分家から昨年寄贈された「村梨子地葵牡丹文二葉葵唐草蒔絵化粧香合(むらなしじ あおい ぼたんもん ふたばあおい からくさ まきえ けしょうこうごう)」(天璋院婚礼調度)をはじめとする婚礼調度品3点を展示する。
同館研究員の小寺瑛広さんは「調度品を展示する機会はこれまでにもあったが、年中行事と共に展示するのは初めて。寄贈された他家の資料と比較できるようになり、これまでとは異なる新たな視点見てもらえる」と話す。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は一般=150円、高校生・大学生=100円、中学生以下無料。前期は5月6日まで、後期は6月6日まで。