松戸市が原産の「二十世紀梨」の苗木を、4月29日から「21世紀の森と広場」(松戸市千駄堀)で間近で見ることができる。
二十世紀梨は、1888(明治21)年に大橋村(現・二十世紀が丘梨元町)で、当時13歳の松戸覚之助によって偶然苗木が発見された。覚之助が父親の経営する農園で10年かけて育て、品評会に出品したところその味が評判になったため、20世紀を代表する品種になってほしいという期待を込めて名付けたという。原木は国天然記念物に指定されたが枯死し、保存処理されたものが松戸市立博物館に展示されている。
現在は二十世紀梨の産地の中心は鳥取県で、松戸市内ではほとんど栽培されなくなったが、初代社長が覚之助の親戚に当たる新松戸造園(松戸市大橋)が、二十世紀梨保存プロジェクト事業として鳥取県から親木の枝を取り寄せて接ぎ木し育成。3月27日に、そのうちの5本の定植が完了した。
同公園南部の「みどりの里」にあり、普段は鳥獣害対策などのためネットで囲まれているため、その外側からしか見ることができないが、期間中はネットの一部をめくり、自由に見学できるようにする。来園者に二十世紀梨について知ってもらうため、期間中は定植場所に特設コーナーを設け、二十世紀梨の由来をはじめ、梨の花が咲くまでの成長過程や苗木が定植されるまでの施工過程の写真などを展示する。
同公園管理事務所の小林慎之介さんは「松戸市発祥である二十世紀梨の苗木を間近で見られる機会なので、見に来てもらえたら」と呼びかける。
開園時間は9時~17時。入園無料。5月6日まで。