松戸市戸定歴史館(松戸市松戸)で現在、「1867年パリ万博150周年記念展 第Ⅲ期 徳川昭武の日仏交流」が開催されている。
戸定邸を住まいとした江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜の弟・昭武が1867年、パリ万博に将軍名代として派遣されてから今年で150周年となることを記念して開く同展。
「第Ⅰ期 プリンス・トクガワと渋沢栄一」展示では、昭武と渋沢栄一の2人の活躍、「第Ⅱ期 写真と万博」展示では、参加国が国家の威信をかけて出展した産業技術や音楽などの文化の様子を当時普及し始めた写真を通じて紹介した。
展示は、昭武のフランス最後の皇帝・ナポレオン3世との協力関係、皇太子ルイや皇后ウージェニーをはじめ、ヨーロッパ各国王族らとの交流にスポットを当て、昭武、渋沢栄一らが残した日記や文書、ゆかりの品々から江戸期の日仏交流の知られざる側面を紹介する。
館長の齊藤洋一さんは「当時、大名以上の地位にある日本人の外遊は昭武が初。慶喜は昭武に清水徳川家を相続させて、対外的には次期将軍の地位を与えパリ万博に派遣したため、ヨーロッパ各国の皇室、王室から日本のプリンスとして迎えられた」と話す。
「幕府は敗者側ゆえに明治維新後の新政府は勝者の視点で、昭武のパリ万博での功績を評価してこなかった。埋もれていた歴史を知る機会になれば」とも。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、一般=240円、高校生・大学生=160円。12月24日まで。