松戸市立博物館(松戸市千駄堀)の企画展示室で「東北の伝統こけしと郷土玩具」が7月15日、始まった。
同館が年に2回行っている館蔵資料展の一環で、個人の収蔵者から寄贈された館蔵品の中から、東北地方の伝統こけし224点と郷土玩具124点を展示する。同館ではこけしの展示と郷土玩具の展示を過去にそれぞれ2回開催したが、こけしと郷土玩具を同時に展示するのは初めて。
学芸員の山田尚彦さんは「こけしはわんや皿などを作る木地職人が仕事の合間に作り、湯治場の土産物として売られていたもの。郷土玩具は宿場町で、近隣の農家が農閑期に木彫り、張り子、陶器などで作ったものを、やはり土産物として販売していた。いずれも江戸時代後期から文献に登場し、明治時代から鉄道・郵便の発展に伴い広く知られるようになった」と話す。
こけしは蔵王(山形県)、鳴子(宮城県)など11カ所の産地ごとに、郷土玩具は県ごとに展示している。こけしがデザインされた木製スライドパズルで遊ぶこともできる。
山田さんは「世代を問わず、見て楽しめる展示だと思う。肩の力を抜いて、産地ごとの特徴や造形の面白さを味わってもらえたら」とアピールする。
開館時間は9時30分~17時。入場無料。月曜、7月28日休館。8月27日まで。8月20日13時~15時には山田さんによる講演会「(仮題)からくりおもちゃ」を同館講堂で行う。定員は67人。申し込みは同館ウェブサイトと往復はがきで受け付ける。8月2日締め切り。