松戸市民会館(松戸市松戸)で12月23日、NPO法人「松戸市民劇団」(松戸市日暮1)による「鉄道員(ぽっぽや)」の朗読劇公演が開かれた。
常磐線開業120周年を記念して行われた同公演。チケットは、乗車切符をあしらったデザインで、会場への入場の際に元馬橋駅長が改札ばさみで改札を行うなど趣向を凝らした。常陸炭鉱の石炭輸送で発展した常磐線にちなんで、女性劇団員による「炭坑節」を披露し会場を沸かせた。
朗読劇の原作は浅田次郎さん。1999年に映画化され、高倉健さん主演で娘役を広末涼子さんが演じた。廃止寸前のローカル線「幌舞線(ほろまいせん)」の終着駅「幌舞駅」駅長の主人公は娘と妻に先立たれ、孤独な生活を送っていた。主人公の定年退職の日が近づいたある雪の日に訪れた少女との交流を軸に描かれた同作品を6人の団員が演じた。
同劇団理事長で主人公の妻と娘を演じた石上瑠美子さんは「常磐線の電化は遅く1936(昭和11)年。当時の車両は小豆色で『下駄電』と呼ばれ、車内で酒盛りが多いことで知られていた。子連れで乗ると酒盛りしているおじさんたちが子どもをあやしたり、ぐずるとスルメをしゃぶらせたりと随分親切に面倒を見てくれたようだ。そんな古き良き時代を感じてもらえれば」と話す。