知的障がいを伴う発達障がいの子を持つ母親らが中心になって活動する劇団「松戸キャラバン隊たねっこ」が5月18日、「放課後等デイサービスあゆみ」(千葉県鎌ヶ谷市)で公演を行った。
発達障がいとは、生まれつきの何らかの原因で脳の発達が通常と違うために、見え方や聞こえ方、感じ方に差が生じてくることから起こる生きにくさのこと。代表的な例として、ADD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠陥・多動性障害)などが挙げられる。知的障がいを伴なわないこともあるが、知的障がいを持つ人の多くは発達障がいを抱えている。
同劇団は2011年12月、発達障がいを持つ子どもたちへの理解を深めてもらうことを目的に活動を始めた。発達障がいを持ったわが子をモデルとした寸劇や、小道具を使った疑似体験を通して発達障がい者の不自由さや大変さを伝える活動をしている。
公演内容は、寸劇「女性専用車両って誰が乗れるの?」と「虐待防止法について」。体験コーナーでは、分厚い手袋などを使って行う「手先が不器用の体験」「シングルフォーカス(見え方の体験)」「言葉が不自由の体験」に観客が参加した。脚本は全てオリジナルで、テーマに沿ってメンバー全員で意見を出し合いながら完成させたという。
同劇団へのイベントなどへの出演依頼は年々増えており、昨年は幼稚園、保育園、福祉施設、中学、大学、イベントなどで30公演を行った。同サークル代表の岡部美穂子さんは「『たねっこ』の名前は障がいのある子どもたちが少しでも暮らしやすい環境を作るための種まきができたら、そして少しずつでも地域に根を張っていけたら、という思いから生まれた」と話す。
「少しずつでもレパートリーを増やして地道に活動していく。呼ばれれば時間の許す限り飛んでいく。キャラバン隊といえば『たねっこ』と言われるようになれれば」とも。