松戸駅前の仮想自治区「MAD Cityプロジェクト」で知られる「まちづクリエイティブ」(松戸市本町、TEL 047-710-5861)が9月6日、4周年記念イベントを開催する。
「MAD City プロジェクト」で知られる「まちづクリエイティブ」の寺井社長のお気に入りは江戸川の河川敷。昔の遊郭やバンダイミュージアム撤退など「松戸の負の歴史」にも引かれるという
同社の寺井元一社長は、2009年5月に初めて松戸を訪れ起業を決意。1年後の5月に同社を設立した。8月にまちづくりの拠点として「MAD City Gallery」をオープンした。
寺井さんは「『MAD City』の構想は、海外の街づくりや再生の研究からヒントを得た。その一つが『アーティストたちによる不法占拠』。日本の場合、不法占拠による土地所有権発生条件は20年だが、オランダは1年。時代と共に人の住まなくなった建物を芸術家やクリエイターが住居や店を勝手に造って占拠し、1年たって所有権を得る。それにより、もともと廃虚やスラムであった場所が街としての機能を取り戻し再生していくという例がある。日本でそのままやるのは無理だが、合法的な道がないかと考えたのがきっかけ」という。
同社は地元密着で掘り出した個性的な不動産物件の賃貸・売買の情報を提供する。一般的に業界では取り扱いが難しいとされる古い民家、店舗、アパート、マンションなどを原状回復不要、リノベーション自由で紹介し、入居後には地元コミュニティーとの交流やDIYのサポートを行う。
管理する「旧・原田米店」や「MADマンション」「いろどりマンション」には、クリエイター、芸術家、リノベーション志向の人が入居してつながりをつくるコミュニティーも生まれている。多目的スペース「FANCLUB」(松戸市本町)は、地域のイベントの開催やコワーキングスペースとして仕事、遊びに利用されている。
寺井さんは「入居者の質が変わって来ている、または変えて来ているところがあって、例えば、100人住んでいる街があって、全員が芸術家やクリエイターだけしか住んでいないまたは、ビジネスマンしか住んでいない街は健全ではない。芸術家やクリエイターをコアとして周りに商業的な人が集まってくる街が理想なのでそういった変化を仕掛けている」と話す。
イベントの詳細は、今後、メールマガジンやウェブサイトでの告知を予定する。