国指定名勝「旧徳川昭武庭園(戸定邸庭園)」(松戸市松戸)が6月1日から、復元された庭園の一般公開を行う。
作庭当時は、書院造(しょいんづくり)庭園と東屋(あずまや)庭園の二つの庭園があったが、東屋庭園が建物の建設により完全に失われていた。地形も復元されたことから、自然の造形が生かされた庭であったことが明らかになったという。庭園西側の崖に面して建てられた東屋は、古写真から似た木材を探し出して使った。
標高25メートルの崖に面して建つ東屋からは、松戸市街や江戸川、空気が澄んだ日には富士山を望むことができる。戸定邸の軒下まで芝生を敷き詰めた洋風技法で作庭した書院造庭園も、130年間で10センチ高くなった芝生を当時の姿に復元している。
戸定邸東側から南へ円錐(えんすい)樹形で高さ7~10メートルのコウヤマキ4本を補殖。西側に10本のアオギリの木立を再現した。この木立は昭武が太さや枝ぶりの優れたものを探し出して植えていたものという。
公開時間は9時30分~17時。月曜休館。入館料は、東屋庭園=無料、戸定邸・書院造庭園=250円(書院造庭園への立ち入りは「戸定の日」のみ)。問い合わせは戸定歴史館(TEL 047-362-2050)まで。