企画展「異形土器 縄文時代の不思議なうつわ」が9月14日から、松戸市立博物館(松戸市千駄堀)の企画展示室で開かれる。
縄文時代の土器は、基本的には煮炊きをするための生活の道具だが、縄文時代後期になると、不思議な形をしていて用途も不明な土器が多く現れる。それらは「異形土器」と呼ばれ、東日本全域で発見されている。今回の展示では、同館および松戸市教育委員会の所蔵資料のほか東日本各地の博物館から借り受けた縄文土器、合計170点を展示する。
展示は4章で構成し、第1章「異形土器の出現と変遷」と第2章「異形土器の拡散」では異形土器の形状の移り変わりと地理的な広がりを紹介。第3章「越境する注口土器」と第4章「土器からみた地域間の関わり合い」では異形土器以外の縄文土器も含めて、よく似た形や文様のものが地域を越えて広がっている様子から、縄文時代後期の人的交流について考察する。
関連行事として、シンポジウム「異形土器と注口土器からみた縄文後期社会の変容」を10月5日に「森のホール21」(千駄堀)レセプションホールで、松戸市立博物館学芸員の西村広経さんによる講演会「縄文後期の異形土器」を10月26日に同館講堂で行う。申し込みは同館ウェブサイトと往復はがきで受け付ける。学芸員が展示の解説をする「ギャラリートーク」を土曜・日曜・祝日に計8回行う。企画展示室で当日受け付ける。
ワークショップ「ゲームで学ぶ土器の古さ/新しさ」を9月15日・9月28日に、「ぬってみよう!異形土器~土器って何色だったの?~」を9月23日・10月19日に、「ミニチュアてんらんかいを作ろう!」を10月27日に行う。会場(同館プレイルームおよび実習室)で当日受け付ける。
西村さんは「異形土器は不思議な形をしているが、一定のルールの下で作られていたとみられる。東日本の広い範囲で、同じルールの下でよく似た土器が作られていたことを観察して、その背後にある人々の関わり合いを想像してみてもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~17時。観覧料は一般=310円、高校生・大学生=150円、中学生以下と市内在住の70歳以上は無料。月曜休館(祝日の場合は翌日)。11月4日まで。