
戸定歴史館(松戸市松戸)で通常展「万博・博 -1867パリから、はじまる-」が10月4日から開かれている。
1867年パリ万博使節団の外交部門のトップ、向山隼人正(はやとしょう)のフランス語名刺(左)と、昭武の教育責任者、山高信離のはかまから作られた紙挟み(右)
江戸幕府第15代将軍徳川慶喜の異母弟、徳川昭武が隠居後の後半生を過ごした邸宅、戸定邸(国指定重要文化財)に隣接する戸定歴史館。1991(平成3)に開館し、昭武とその子孫に関する資料を収集、保存、調査研究、公開している。
徳川昭武が日本の代表として参加した1867年のパリ万博は日本の国際デビューのきっかけとなり、昭武と共に渡欧した渋沢栄一らは近代日本をけん引する役割を果たした。今回の展示では、昭武と、彼の教育責任者としてパリ万博に随行し、後に美術・博覧会行政の中心となった山高信離(のぶあきら)の視点から、1867年~1900年の10回に及ぶ万博を紹介する。
同展は「プロローグ 万博の誕生と日本との出会い」「はじまる 1867パリ」「ふたたび 徳川昭武が見た万国博覧会 1876フィラデルフィア、1878パリ」「はばたく 山高信離と明治の万国博覧会」「エピローグ 1867パリから、つづく」の5章で構成。当時の様子を伝える古文書、欧州で発行された新聞、昭武が着用した装束、フランスで入手した美術品・工芸品など、初公開の品を含む約80点を展示する。
同館研究員の小寺瑛広さんは「日本と万博の関わりの歴史は1867年のパリ万博から始まった。日本が国際的に知られるようになったのは万博がきっかけと言ってよいと思う。先日閉幕した大阪万博へとつながる、日本と万博との歴史を考える機会になれば」と話す。学芸員の大沼大晟さんは「子ども用の解説パネルやワークシートも用意しているので、お子さんと一緒に万博の歴史を楽しんでもらえたら」と呼びかける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は一般=150円、高校生・大学生=100円、中学生以下無料。来年1月12日まで。