戸定邸(とじょうてい=松戸市松戸)で現在、同邸落成130年を記念して「プリンス・トクガワの屋敷」テーマに企画展が開催されている。
同邸は、最後の将軍徳川慶喜の異母弟の徳川昭武が、隠居後1884(明治17)年に移り住んだ明治前期の上流住宅として歴史的価値を認められ、国の重要文化財に指定された邸宅。
昭武は、パリ万博博覧会へ将軍である兄の名代として派遣を命じられ、1867年1月に使節団を率いて渡仏。1868年、パリで留学生活を送っていたところ、兄慶喜の大政奉還を知った。
「プリンス・トクガワ」の呼称は、パリ万博に派遣された際にイギリスの新聞で、次期日本の元首有力候補として紹介された時のもの。同展では松戸徳川家伝来文書、写真、旧福島県学生寮に昭武が設けた登り窯で焼かれた焼き物(戸定焼)、同邸で使われていた書画、工芸品などの調度品のほか、歴史公園内に生えている樹木や同邸の見どころも展示品と捉え、歴史館、戸定邸、歴史公園を会場と見立てている。
開催時間は9時30分~17時。月曜休館。現在は前期開催で11月16日まで。後期は同19日~2015年1月12日を予定している。