インターネット上に構築された3次元の仮想空間「メタバース」で松戸市が運営する「メタまーつ」が10月31日、公開された。
「メタまーつ」の「いつでもどこでも防災体験」では洪水、津波などの災害想定エリアを地図上で確認できる
「メタまーつ」は、松戸市の地図を基にした仮想空間で、市民との新たな接点・つながりを創出し、社会変化に適応した「スマート市役所」を実現するために立ち上げた。「いつでもどこでも防災体験」「市内まるごと文化財マップ」「仮想空間に子どもたちの新しい居場所」の3つの機能を公開している。ウェブサイトにアクセス後、年代、居住地域、世帯構成などのアンケートに答え(初回のみ)、ニックネーム、アバターなどを選んで参加できる。
「いつでもどこでも防災体験」では、3Dマップ上で市内の避難所の位置や詳細情報を提供しているほか、洪水、津波などの災害想定エリアを個別にマップ上で確認できる機能を用意。マップ上にある風水害、地震、備蓄品の3つのブースで、災害時の対応や備蓄品に関する解説・クイズを用意している。
「市内まるごと文化財マップ」は、市が作成している「文化財マップ」を3Dマップ上に再現。文化財の詳細情報を確認する、位置や経路を確認して現地を見学するプランを立てる、などの機能を提供する。戸定歴史館、東漸寺など一部の文化財については個別ブースを設け、参加者が職員キャラクターとの会話形式で解説やクイズを楽しめるようにした。
「仮想空間に子どもたちの新しい居場所」は小・中・高校生世代を中心とした子どもたちを対象に、現実の「子どもの居場所」に参加できない子どもでも誰かと話せるオンラインの「子どもの居場所」を提供する。月に4回程度不定期に開館し、参加者は音声やテキストチャットを通じて他の子どもたちや職員と交流したり、イベントに参加したりできる。
松戸市総務部デジタル戦略課の黒澤聡史課長は「仮想空間上で位置、さまざまな情報、体験、コミュニケーション、楽しさを一度に取得・実感できるシステムであり、全ての市民が利用できる複数の行政サービス基盤。今後も効果のある事業で活用を広げ、さらなる市民サービスの向上を図りながら、松戸市長が公約に掲げる『スマートフォン一つで申請・相談が完結できる市役所』の実現を進めていく」と話す。